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雑誌『小説野性時代』が紙版最終号ということで買ってみた。 インターネットの普及で雑誌媒体が厳しくなったことはずっと以前から言われていたが、若者の活字離れも言われて久しく、その二つの条件面からも厳しい文芸雑誌が紙媒体から離れて行ってしまうのは、しかたがないのかもしれない。 けれども、やはり寂しくてしかたがない。 読切短篇で澤田瞳子の「紅牡丹」という作品が掲載されていたので、読んでみた。 戦国時代に松永弾正の手によって、多聞山城に軟禁された十市遠勝の娘・苗を主人公とする、武将によって人質となった子らの生き様を描いた作品。 厳しい状況の中で凛とした九歳の少女の姿が心を打つ。 実は少しだけ探偵小説的な部分があって、意外なところで驚かされたが、老僧・勝源と主人公の少女との心の交流も温かい。 咲かない牡丹を咲かせたいという思いでとった最後の行動は、その後、どんな展開が待っているんだろう?と、作品の後の世界にも興味が湧いてくる。とくに、苗が実在の人物であることも考えると、まだまだドラマがありそうである。 PR |
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